Experience Cloudにおける共有セットの設定方法

本記事では、Experience Cloudにおける共有セットを利用した外部ユーザーへのレコードアクセス権の付与の方法について解説します。

共有設定の基本

SalesforceのExperience Cloudでは、様々な共有設定を利用して外部ユーザー（コミュニティユーザー）へのレコードのアクセス権を管理します。

• 組織の共有設定
• ロール階層
• 共有ルール
• 共有セット
• 手動共有

この中で、「共有セット」はExperience Cloud特有の共有方法で、レコードの「取引先」または「取引先責任者」参照項目に紐づいて個別共有を行うものとなります。
コミュニティユーザーが自分自身に関連するデータに対してのみアクセスできるようにするための効果的な方法です。

共有セットの使用シナリオ

今回は例として、
コミュニティユーザーが自身の取引先に紐づく「注文」レコードのみを参照できるようにしたい、という要件のもとで、共有セットを設定していきたいと思います。

※前提として、組織の共有設定の「注文」のデフォルトの外部アクセス権は「非公開」に設定しております。
組織の共有設定にて外部ユーザー全体に対するアクセス権を設定して、その上で個別のアクセス権の付与を共有セットにて行うイメージです。
組織の共有設定で設定したアクセス権よりレベルの低いアクセス権を共有セットや共有ルールで付与するといったことはできません。
例えば、「注文」のデフォルトの外部アクセス権を「公開/参照・更新可能」に設定している場合は、すでに全ての外部ユーザーに編集権限まで与えられているので、共有セットでの共有はできません。(する必要がありません。)
組織の共有設定について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

共有セットの設定方法

[設定] > [デジタルエクスペリエンス] > [設定]
ページの下部 「共有セット」セクションから共有セットを作成できます。

今回は「顧客」というコミュニティユーザープロファイルのユーザーに対して「注文」レコードへのアクセス権を付与したいと思いますので、「プロファイルの選択」から「顧客」を選択します。

続いてオブジェクトの選択ですが、「注文」を選択すると、

「アクセス権の設定」セクションに行が追加されますので、そこの「設定」からアクセスマッピングを行います。
今回は「注文」の「顧客」（API参照名：Account__c）項目の取引先に属しているコミュニティユーザーに対して参照権限を付与するので、
ユーザー：Contact.Account
ターゲット 注文：Account__c
アクセス権：参照のみ
と設定して保存します。

これにて共有セットの設定は完了です。

コミュニティユーザーとしてログインしても、自分自身の所属する取引先に紐づいた注文レコードのみ表示されるようになりました。

まとめ

コミュニティユーザーが自分自身に関連するデータに対してのみアクセスできるようにしたい場合は共有セットの活用をご検討ください。
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