Experience Cloudにおける共有ルールの設定方法

本記事では、Experience Cloudにおける共有ルールを利用した外部ユーザーへのレコードアクセス権の付与の方法について解説します。

共有設定の基本

SalesforceのExperience Cloudでは、様々な共有設定を利用して外部ユーザー(コミュニティユーザー)へのレコードのアクセス権を管理します。

  • 組織の共有設定
  • ロール階層
  • 共有ルール
  • 共有セット
  • 手動共有

この中で、「共有ルール」は特定のユーザーや特定のグループに対して個別のレコードアクセス権を付与するために利用されます。
組織の共有設定や共有セットにてベースのレコードアクセス権を設定して、その上で特定の条件下に個別で共有したいものがある場合に共有ルールを使うイメージです。

組織の共有設定や、共有セットについて詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をご覧ください。

共有ルールの設定方法

[設定] > [共有設定]
のページの下部 「共有ルール」セクションから共有ルールを作成できます。

スクリーンショット2024-07-1216.16.01.png

ルールタイプを

  • レコード所有者に基づく
  • 条件に基づく

から選択し、(ゲストユーザーに対してレコードを共有したい場合にのみ「条件に基づくゲストユーザーアクセス」を選択)
続いて共有するレコード、共有先のユーザー、アクセスレベルを設定するのですが、
共有先を条件指定できないというところがネックです。
例えば、"特定のプロファイルに属するユーザー"といった条件で共有先のユーザーを絞ることができません。
共有先はロールか公開グループしか指定できないので、もし特定のプロファイルに対して共有したい場合は、
そのプロファイルのユーザーのみを含めた公開グループを作成して、その公開グループを共有先に指定するといった方法をとるしかありません。

スクリーンショット2024-07-1216.21.55.png

今回は下記2つのシナリオで、共有ルールを使用したコミュニティユーザーへの共有を行ってみたいと思います。
テーマはサッカー用品店が公開しているコミュニティにて、「プロモーション」レコードの共有を共有ルールにて行います。
組織の共有設定における「プロモーション」のデフォルトの外部アクセス権は「非公開」とします。

スクリーンショット2024-07-1217.37.19.png

シナリオ①:実行中のプロモーションのみを配信する

顧客には不要なプロモーションは見せたくないため、「ステータス」が「実行中」のプロモーションのみ共有するようにします。

ルールタイプ:条件に基づく
共有条件:「ステータス」が「実行中」
共有先:公開グループの「すべてのカスタマーポータルユーザー」
アクセスレベル:参照のみ

スクリーンショット2024-07-1217.39.09.png

上記のように設定することで、実行中のプロモーションのみが表示されるようになりました!

スクリーンショット2024-07-1217.45.44.png

シナリオ②:優良顧客にのみ限定のプロモーションを配信する

今度は①に加えて、優良顧客にのみ限定でプロモーションを配信できるように共有ルールを設定したいと思います。
まずは優良顧客の公開グループを作成します。

スクリーンショット2024-07-1218.03.01.png

続いて、共有ルールを作成します。
ルールタイプ:条件に基づく
共有条件:「限定配信」がtrue かつ「ステータス」が「実行中」
共有先:公開グループの「優良顧客」
アクセスレベル:参照のみ

スクリーンショット2024-07-1218.04.25.png

シナリオ①で作成した共有ルールのままだと、全員に限定プロモーションが公開されてしまうので、
共有条件に「限定配信」= false を追加します。

スクリーンショット2024-07-1218.12.12.png

そうすることで、優良顧客として登録されているユーザーにのみ限定プロモーションを公開することができました!

スクリーンショット2024-07-1218.32.48.png

まとめ

特定のコミュニティユーザーやグループに個別にアクセス権を付与したい場合には共有ルールの活用をご検討ください。
よろしければ、他の記事もご覧ください。

Share:
記事一覧へ